さどトリコ

佐渡汽船社員が実際に行って見て感じた、
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さっぱりしていて脂っこくない、オール佐渡の真骨頂「佐渡天然ブリカツ丼」は船酔いしても食べられる奇跡の一杯だった

2019/01/04

たべる

・記事内容は公開日時点の情報です。新型コロナウイルス感染症の影響により予告なく変更される場合がありますので、詳細はそれぞれのお問い合わせ先にご確認ください。
・ご旅行中は佐渡の「新しい生活様式」を取り入れてお楽しみください。


山から野へ、海へーー。佐渡の恵みは海や大地をめぐりめぐって、わたしたちのからだの中に優しくとけこんでいきます。

「佐渡天然ブリカツ丼」は、農産物、海産物、加工品など、佐渡の代表的な食(特産品)の恵みにこだわった新・ご当地グルメです。

佐渡ご当地グルメ普及促進協議会の会長を務める伊藤哲夫さんのお店「LOCABOR-STYLE 味彩」で、「佐渡天然ブリカツ丼」で実際に食べながら、佐渡ブリカツ丼の魅力を伺いました。

いざブリカツ丼へ!しかし悪天候でまさかの…

「LOCAVOR-STYLE 味彩」は、今年7月にオープンした「たびのホテル佐渡」の1階に店を構えています。観光の拠点と連携を図ろうと、3kmほど離れた元の場所から移転しました。

素敵なデザインの看板です

午後1時過ぎに入店したさどトリコ取材班。お昼時を過ぎているにもかかわらず、お店の大半の席が埋まっていました。

実は、取材した日の波は高さ3メートルに達し、悪天候で佐渡汽船が運行する新潟港~両津港のジェットフォイルは全て欠航。同区間のカーフェリーは通常運行でしたが、大しけで船内は揺れに揺れます。乗船から30分後、取材班の一人が船酔いでダウンしました。

船酔いでダウンする直前に取材班が撮った大荒れの海の様子。雨も降っています。

佐渡汽船の社員の中にも、船酔いしやすい体質の人間はいます。特に、普段は船に乗らない業務に従事する人間に多いようです)

両津港にたどり着いたものの、ご飯はおろか、水分を取ることも難しいほどの吐き気に襲われる取材班メンバー。
「こんなに船酔いしているのに、カツ丼なんて食べられるわけがないよ…」。

え?!なんで…カツなのに…

帰りも船に乗ることを考えながら、味彩に着いて呆然と座って待つこと約10分。
佐渡天然ブリカツ丼(ハーフ)がやってきました!思っていたよりも、で、でかい!!

天然ブリカツが5切れ、佐渡産コシヒカリの上に鎮座しています。大漁旗がかわいい 。

佐渡天然ブリカツ丼振興協議会が定める「佐渡天然ブリカツ丼」とは、佐渡産の米粉を使った衣で揚げた天然ブリのカツを特製あご(トビウオ)だしの醤油ダレにくぐらせ、佐渡産のごはんの上にのせたシンプルな丼のことです。
具体的には、以下のような厳密なルールを定めています。特に地元産の食材を使う点に重点を置いています。

(1) 正式名称は『佐渡天然ブリカツ丼』とする。
(2) 佐渡産の天然ブリを使用する。
(3) 天然ブリのカツは、5切れ(1切れ約20グラム)とする。
(4) タレは協議会指定レシピの「特製あごだし醤油ダレ」を使用する。
(5) 佐渡市認証米「朱鷺と暮らす郷」(コシヒカリ)の米粉を衣に使う。
(6) ごはんに使用するお米は佐渡市認証米「朱鷺と暮らす郷」(コシヒカリ)とする。
(7) 副菜として季節の地場産食材をつける。
(8) 地場産の食材にこだわった汁ものをつける。
(9) 『佐渡天然ブリカツ丼』の認証ともなる大漁旗をつける。
(10) 価格は1,200円(+税)とする。ハーフサイズは980円(+税)

めちゃめちゃ美味しそうですが、カツの衣は油っぽいという先入観からか、取材班の船酔いメンバーはなかなか箸に手をつけようとしません。
一通り料理の写真を撮った後、覚悟を決めた船酔いメンバー。
一口ブリカツを食べ、すぐにこうつぶやきました。
「なにこれ、めちゃめちゃうまい…!」

ブリカツの衣に醤油ダレが染み込んで濃い琥珀色に輝いている。全然脂っこくない!

特製あごだし醤油ダレをくぐらせた一口大の天然ブリカツは、柔らかくてサクッと歯切れが良く、適度にタレを吸った衣は油っぽさを驚くほど感じられません。
ブリカツから染み出した醤油ダレがご飯の上部を控えめに色付けており、丼向けの適度な硬さに炊き上げたお米の食感を損ねることのない絶妙な塩梅です。
船酔いで苦しんでいた取材班メンバーも完食しました(本当です!)。

佐渡天然ブリカツ丼にはデザートがつきます。その日は佐渡産の生乳を使った、最近流行の丸くてかわいいソフトクリームでした。滑らかで口どけがよく、いくらでも食べられそうです。

写真は単品のソフトクリーム。インスタ映えしそう!

ソフトクリームを食べていると、「お味はいかがですか?」と、店の奥から有限会社味彩の代表取締役の伊藤哲夫さんがやってきました。

美味しさの秘密はオール佐渡にあり!

取材班:実は、船酔いでさっきまで全然食べ物や飲み物を受け付けなかったんですけれども、この佐渡天然ブリカツ丼は全部食べられたんです!

佐渡ブリカツ丼への熱い思いを語る伊藤さん

伊藤さん:おお、それは嬉しいですね!一般的なカツ丼では衣にパン粉を使いますが、佐渡天然ブリカツ丼は佐渡産の米粉を使っていますからね。

取材班:米粉を使って揚げると、料理にどんな特徴が出るのですか?
伊藤さん:米粉の衣はパン粉に比べて油を吸いにくい上、さっくりとした食感になります。
取材班:あああ!なるほどですね!ブリ自体もとても柔らかいですね。
伊藤さん:そうなのです。お子さんも大人もお年寄りも、だれでもいくつでも食べられますよ。
取材班:ご飯への醤油タレのかかり具合も絶妙ですね!
伊藤さん:実は、あれは僕のこだわりです。タレが丼の底のたまるくらいかけることもできるけれど、そうするとご飯のホクホクとした美味しさが損なわれます。僕はブリもご飯もどちらもよさを生かして美味しく味わってもらいたいから、あえてタレを抑えめにしているのです。

佐渡の魅力をさらに発信したい

佐渡ご当地グルメ普及促進協議会公式サイト(http://www.burikatsu.com/)より

佐渡天然ブリカツが誕生したのは今から9年前。新・ご当地グルメとしてブリカツ丼を作るプロジェクトが佐渡で始まる際、真っ先に手を挙げたのが伊藤さんでした。

魚、野菜、米、タレ、伏流水…。佐渡の恵みを堪能できる全て地場産の材料で作った丼を作ろうと、伊藤さんらは2010年、佐渡ご当地グルメ普及促進協議会を設立。佐渡市内の飲食店で佐渡天然ブリカツ丼の提供を開始しました。

「佐渡天然ブリカツ丼公式サイト」(http://www.burikatsu.com/)によると、現在味彩をはじめとする市内4店舗で提供しています。

趣があるお店の前で。地産地消へのこだわりを込めて、看板のデザインも一新。

修学旅行で児童や生徒が食事で店を訪れた際には、「佐渡の恵みがこのどんぶりに込められている」と自ら特製法被を着て語りかける伊藤さん。「佐渡天然ブリカツ丼を通じて、佐渡の食の魅力をさらに発信して伸ばしていきたいですね」と前を見据えます。

船酔いの取材班も思わず完食するほど美味しい佐渡天然ブリカツ丼。全店を制覇してそれぞれのお店の個性も堪能したいですね。

ちなみに、味彩ではこんなに豪華なカニ丼も味わえます。

ああ、ブリカツ丼を食べたばかりなのに…全部食べてしまいたい

佐渡の恵みをフルに生かした味彩の料理、「絶対リピートして全てのメニューを食べたい!」と、さどトリコ取材班は心に誓って店を後にしたのでした。

LOCAVOR-STYLE 味彩

[住所] 新潟県佐渡市千種113-12 たびのホテル佐渡(1階)
[電話番号] 0259-58-8010
[営業時間] 11:00~14:30(LO 14:00) / 17:30~22:00(LO 21:00)
[定休日]  水曜日
[駐車場] 有り
[関連ウェブサイト] http://www.burikatsu.com/

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