さどトリコ

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大人の工場見学!日本で唯一、佐渡汽船の「ジェットフォイルドック」を特別にご紹介

2020/06/12

ふね

皆さんこんにちは!きらきらした海岸線をドライブしたい乙川です。

さあ、これから佐渡島はオンシーズン突入です。そんな佐渡へ行くための手段の1つとして欠かせないジェットフォイル。

ジェットフォイル「すいせい」

ジェットフォイルについては以前、さどトリコでも紹介させていただきました。
(過去記事→速くてかっこいい、海を飛ぶ船「ジェットフォイル」を詳しくご紹介!
日頃、海の上で活躍しているジェットフォイルですが、その裏では安全に運航できるよう、船に不具合がないか各整備項目によってそれぞれ資格を持った整備員が点検を行っています。
点検項目によって異なりますが日常的に行っている点検から、年単位で行っているものまで様々。人間に例えるとまるで健康診断のようですね。
佐渡汽船は日本で唯一ジェットフォイル専用のドック(整備作業場)を所有しており、そこで整備・点検を行っています。
実際にジェットフォイルの整備・点検を行っているのは、佐渡汽船のグループ会社である佐渡汽船シップメンテナンスの職員です。

実は、この整備点検は私たち社員ですらあまり見る機会がありません。

ですが今回、特別にジェットフォイルドック(整備作業場)に入らせていただきました!!

こんな貴重な体験、私が行って良いのだろうか・・・!
この幸せ過ぎる体験を心にとどめておくわけにはいきません。という事で整備中のジェットフォイルの様子を皆様にもご紹介します♪

いざ、ジェットフォイルドックへ

こちらが実際に整備が行われているジェットフォイルドック。
佐渡汽船ターミナルと信濃川をはさんで対岸にあります。

ジェットフォイルドック 外観

 新潟港に入港・出港する際に、この建物を目にしたことがあると思います。これがジェットフォイルドックで、整備中のジェットフォイルが入っています。
早速中へお邪魔し、ドック内を進んでいくと、この時期整備中だったジェットフォイル 「すいせい」が見えてきました!

ジェットフォイル 「すいせい」(正面から)

いつもと違う姿でかっこいい!!

ジェットフォイル「すいせい」横から

横から眺めただけでもすでにその大きさに感動しました。

ジェットフォイル専用ドックの歴史

ここでジェットフォイルドックについて、少しご説明いたします。
このドックは昭和53年12月に建設しました。
当時は専用のドックがなく、故障発生時は新潟市内の他のドックにて作業を行っていましたが、使用中で利用できず他の造船所を探し回ったこともありました。

社史には

「すぐに利用できない他社のドックをあてにすることの是非について社内で問題となった。当時のドックは、早くて2~3日、遅ければ10~15日も待機させられるのが常識であった。また、造船所側からみても、船体は小型であるうえに当社のメンテナンス要員か、ボーイング社の技術者しか作業ができないジェットフォイルのドック入りにはメリットがなかったから、いざというとき、あてにできるとは限らなかった。」(佐渡汽船社史「八十年のあゆみ」より一部抜粋)と記録されています。

佐渡汽船が日本で初めて導入したジェットフォイルをメンテナンスするには、かなりの苦労があったことがわかります。

「緊急時に当社がすぐに利用できるドックを確保しておく必要性があると痛感し」、昭和52年の会議で「当社専用ドックを建設する方針が固まった。」

ここから専用ドック建設がスタートしました。

「ジェットフォイル専用ドックはボーイング社を含めて世界のどこにもないものであったから、その設計には、当社の運航体験にもとづく独自のアイデアが織り込まれた。」

世界初の専用ドックなのです。独自のアイデアとは?
例えば「信濃川から船を浮かべたまま船渠に引き込むことができ、船台は水中翼の上げ下げができるように油圧を用いてジャッキアップできる装置にした。」

これは確かに佐渡汽船独自のアイデアです!このように、ジェットフォイルドックには長年の経験を生かして、随所に使いやすいような工夫がされているのです。(上記「」内は佐渡汽船社史「八十年のあゆみ」より一部抜粋)

普段は見られない船底へ

下からの「すいせい」

ジェットフォイルドックの歴史も頭に入ったところで、見学に戻ります。
せっかくだし、普段水面下に隠れて見ることのできない下からの角度も見たいな。と担当者に聞いたら許可をいただきました。ありがとうございます。

・・・?!めちゃくちゃ大きい!

ジェットフォイルと人間
ジェットフォイルの大きさ伝わりますでしょうか?

ジェットフォイルの近くにいる人間と比べると船がいかに大きいかがお分かりになると思います。

前部水中翼の下へ

案内されて前部水中翼の下へ。シップメンテナンスの担当者によると、
「この前部水中翼は水の抵抗をなくし、コケなどの付着物を防ぐために、担当者がピカピカに磨き上げています。」
ピカピカにすることで燃費にも影響してくるそうです。

ジェットフォイルの構造図

こちらがジェットフォイルの構造図です。見上げているのは赤矢印のこのあたりです。
船底から船を見上げると、普段見ているジェットフォイルとの違いをより体感できます。あまりに大きすぎて、自分が小さくなってしまったのか、あるいは船が大きくなったのか・・・しばらく不思議な感覚に陥ってしまいました。(当然船の大きさはいつもと変わりません。笑)

すいせいの船尾

通路を歩いてぐるっと後ろまで回ってきました。普段は真後ろから見られません。

ここで豆知識。
船体上部の両端のタービン排気口の間にある四角い窓の小部屋は、昔展望室だったそうです(現在は出入りできません)。この展望室がついているのは「すいせい」だけ。航行中の眺めは最高だっただろうな。

その後は船内に入らせていただきました。

船内も整備点検中

整備中の船内はいたるところがブルーシートで覆われておりました。
いつもと違う客席の様子にびっくりです。
船の外側だけではなく、内側の細かな部分まで整備をしている様子が分かります。

全ては安全運航のため

快適な船旅をお届けします

整備を担当している、佐渡汽船シップメンテナンスの担当者は
「整備は修理に至らせないために行うもので、安全に運航ができているのも、整備があってこそなのです。」と話しています。
その言葉の重みを今回の見学を通して感じることができました。
また、1つの船に多くの人々が携わっているのだという事を改めて感じられたとても貴重な見学となりました。
このように佐渡汽船のジェットフォイルは専用ドックで定期的に整備・点検を行っております。これからも快適・快速なる航海をお届けします。


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