さどトリコ

佐渡汽船社員が実際に行って見て感じた、
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ワイン、レコード、コーヒーにゆっくりと時間をかけて。「Andante(アンダンテ)葡萄農家の宿」

2021/12/10

とまる

・記事内容は公開日時点の情報です。新型コロナウイルス感染症の影響により予告なく変更される場合がありますので、詳細はそれぞれのお問い合わせ先にご確認ください。
・ご旅行中は佐渡の「新しい生活様式」を取り入れてお楽しみください。


りんご、すいか、桃、ぶどう、柿など、くだものが豊富にとれる佐渡島。
農園が多く集まる佐渡の西三川地区に、日常を離れてゆっくりできるお洒落な農家民宿があります。


今回宿泊するのは「Andante葡萄農家の宿」。
この家にあるいいものを残しつつ、新しいものも とりいれていく。
こだわりがつまった空間は、せわしない日常から離れるきっかけを与えてくれます。

Andante葡萄農家の宿の外観
事前予約が必要な大人気の宿です

元々は持ち主だった大工さんがお子さんのために結婚式場として建てた離れでした。
この家が空き家で、まだ名前がなかった頃。
オーナーの下川さんご夫妻が「何かするにはぴったりの場所かも!」と気に入ってこの場所を選びました。
改装や準備を進めて2020年2月にオープン。

下川さんご夫妻
下川さんご夫妻

「歩くように、ゆっくりと」


Andante葡萄農家の宿は1日1組限定。
コンセプトとしている「歩くように、ゆっくりと(Andanteの日本語訳)」が叶うお宿で、大人4人、子供2人まで宿泊できます。


玄関を開けて中に入ると広々とした共有スペースが広がります。

共有スペース
共有スペース

共有スペースからは佐渡の園芸専門店「Silt(シルト)」が監修した中庭が見えます。
Siltには以前訪れたことがありました!


珍しい植物が並ぶ「Silt(シルト)」でお買い物♪ – さどトリコ(サドトリコ・さどとりこ) (sadotrico.jp)


緑に囲まれながら好きな本を読んで自由に過ごせます。

共有スペース
下川さんもお気に入りの場所

昔この場所で使っていた戸が天窓になっていて、外からの光が柔らかく差し込みます。

天井
天井を見上げてみる

本棚の横にある扉を開けた先が、本日泊まるお部屋です。


お部屋に入ってまず出迎えてくれたのは立派なレコードプレイヤー。
以前の家主様が使っていたものを受け継いでいます。
好きなレコードを選び、セットして針を落とす貴重な体験ができます。

レコードプレイヤー
かけているのは『orbe / orbe feat. LUCA』

優しい声が空間に響きます。

まるで海外にいるような夜ごはん

広々とした空間には、ぬくもりを感じるテーブルとイスがしつらえられています。
夜ごはんは、ここでゆっくりレコードを聴きながらいただきます。

ぬくもりを感じるテーブルとイス
背もたれが特徴的なイスがかわいい

サービスドリンクのグラスワインで乾杯。

乾杯する手元
佐渡の南側 宿根木にある「こいっちゃ工房」のワイングラスはとても手に馴染みます

ここで飲めるワインは泡、赤、白、ロゼ。下川さんがセレクトした海外のものを多く用意しています。


葡萄畑から摘みたてピノ・ノワールのジャムと佐渡産イチジク

葡萄畑から摘みたてピノ・ノワールのジャムと佐渡産イチジク
佐渡小麦の自家製カンパーニュでいただきます

外側はカリッと、内側はモチっと柔らかいカンパーニュ。ちょうどいい甘さのジャムは柔らかい佐渡のイチジクと相性抜群です。

佐渡産タコと野菜のセビーチェ 蟹のクロケッタ

佐渡産タコと野菜のセビーチェ 蟹のクロケッタ
サクサクのクロケッタはスペインのコロッケ

魚介のマリネ、セビーチェはきゅうり、ピーマン、みょうが、紫たまねぎ、とうもろこし、ドライトマトと野菜たっぷり!
クロケッタの中には蟹の身がずっしりと詰まっていました。

この日のメイン。

ポルトガル南部の郷土料理「カルネ・デ・ポルコ・ア・アレンテジャーナ」佐渡産黒豚とあさりのアレンテージョ風

ポルトガル南部の郷土料理「カルネ・デ・ポルコ・ア・アレンテジャーナ」佐渡産黒豚とあさりのアレンテージョ風
じゃがいもに素材の旨味がしみこんでいます

豚肉とあさりを同じフライパンで炒めていて、食材がお互いに旨味を引き立てあっています。


まるで海外で食べているようなおいしい夜ごはんですが、料理は農家民宿として家庭的なものをコンセプトに、島内の食材店で買えるもの・佐渡で採れるものを使っています。


その日に採れた野菜が並ぶことも多い佐渡。


ポテンシャルの高い佐渡の食材を生かした料理は、やさしくお腹を満たしてくれます。

この日の〆もの 。 
佐渡の南蛮エビと蟹のリゾット

佐渡の南蛮エビと蟹のリゾット
トマトの酸味が程よくて〆にぴったりの優しい味わい

リゾットにレモンをかければ味を変えて二度楽しめます。
レモンが乗っている器は佐渡のガラス作家「戸田かおり」さんの作品です。
砕いたガラスを鋳型につめて成型するパート・ド・ヴェールの技法でできた器です。

ガラスの器に乗ったレモン
真野新町にある「ギャラリー空水」では様々なガラス作品を展示販売しています

ルームツアー
お腹いっぱいになったところで、ゆっくりと宿を楽しみます。
客室は、島内の工務店に協力いただきながらつくられたそうです。


浴室はシャワールーム。

シャワールーム
洗面台の向かいはトイレ

リビングには掘りごたつのようなソファー。
昔見た映画を久しぶりに見ながらついつい夜更かし。


白壁はスクリーンの役割もあります。

ソファールーム
プロジェクター
プロジェクターが設置されています

布団に入って夢の中へ。
ふかふかで肌触りがよくてぐっすり寝れました。

寝室
木のぬくもりに包み込まれる寝室 2部屋あります

翌日。部屋全体に光が差します。
ハンモックに揺られてゆっくりと朝を過ごします。

ハンモック
ハンモック

アンダンテで朝食を
和食ベースの朝ごはんです。

朝食の様子
日光に照らされている外の緑が気持ちいい

土鍋で丁寧に炊かれたご飯は、ふっくらしていてほんのりおこげつきなのも嬉しいポイント。
この日のご飯に合うおかずはヘルシーな蒸し野菜、優しい味わいの卵焼き、3種の小皿。
お味噌汁にはもちもちしたレンコンのつみれ入り。透明なつみれには海老も入っていました。

旅先だからこそ豆を挽くところからコーヒーを淹れたい
ミニキッチンで食後にコーヒーを挽いてみます。

「オケサドコーヒー」の豆
「オケサドコーヒー」の豆

佐渡の山間部にある焙煎所で丁寧に焙煎したコーヒー豆。

以前、島内のカフェで飲んだ美味しいコーヒーがオケサドコーヒーを使っていたことを覚えていたので、こうして今回使えることが嬉しいです。


アンティーク調の電動コーヒーミルを使用して細かくします。
コーヒーのいい香りがキッチンに漂ってきたところで、フィルターに細かくなったコーヒー豆を入れてゆっくりとお湯を注ぎます。
佐渡の伝統文化である竹工芸を行う「てから工房」がつくった竹のドリッパーに出会えました。

コーヒーを淹れる様子
コーヒー豆とスケールを見ながら注ぎます

佐渡の竹といえば!
このドリッパーを作った職人さんとは違う方ですが、実際に作業場を見せていただいたことがありました。


普段づかいできる佐渡の竹細工で生活に彩をそえてみませんか? – さどトリコ(サドトリコ・さどとりこ) (sadotrico.jp)


佐渡の竹への興味がより一層湧いてきました。

竹のドリッパー
コーヒーの色で竹がグラデーションしていきます

佐渡の窯元で作陶したコーヒーカップに注ぎ、いただきます。

「一窯(はじめがま)」のカップ
「一窯(はじめがま)」のカップ

Andanteでは、食材だけでなく食器や工芸品まで佐渡のものに触れることができました。五感が研ぎ澄まされる様な貴重な経験でした。


お土産探しの参考にもなりますよ。

自分たちで育てた葡萄でワインをつくりたい

宿の名前にもある「葡萄農家の宿」。
下川さん夫妻は「自分たちで育てた葡萄からワインをつくりたい」と佐渡島に移住してきました。


ナチュラルワイン醸造家のジャンマルク氏が佐渡に移住されていることを雑誌で知り、初めての佐渡旅行。
日本国内のワインが有名な地域をいくつか訪れたなかでお二人が思っていた理想の場所に近かったのが佐渡でした。 


ワイナリーのような大規模なものではなく、
毎日の生活で幸せに暮らせるなかでやりたいことを第一に。
「自分たちがつくったワインを目の前でお客様に提供して、反応を見たい。」
ワインを楽しむ場所として、飲んだ後にもゆっくり休める宿を開業しました。 

 
ワイン用の葡萄になるには、苗木を植えてから最低4、5年かかると言われています。
いまは少しずつ葡萄の木も育ってきています。


今回は特別に、車で5分くらいのところにある葡萄畑をご案内いただきました。

葡萄畑
日本の品種から海外の品種まで

収穫したばかりのタイミングでしたが、少しだけ残っていた葡萄を見つけました。

ワイン用の葡萄
ワイン用の葡萄

数年後に宿泊するときには、佐渡で採れたAndanteのワインを飲みながら宿泊ができるかもしれません!


せっかく行くならこだわりの旅を

Andanteの看板猫アニスちゃん
Andanteの看板猫アニスちゃん

居心地よくて、やりたいことがたっぷりできるAndante。
静かな場所で集中して作業をするのにも向いてそうです。
次行くときはうーんとゆっくりして、中庭の植物にくわしくなれそうな本を読んで過ごしたいと思います!


Andanteのウェブサイトに書いてあった言葉を一部引用してみます。


「冒険に出るような気持ちで船に乗り、海を渡って行ってみませんか?」


Andante葡萄農家の宿(アンダンテ ぶどうのうかのやど)

【住所】〒952-0432 新潟県佐渡市大倉谷672-3
【営業時間】チェックイン16:00~ チェックアウト~10:00
【営業日】ご予約の際にご確認ください
【駐車場】2台まで
【WEB】佐渡 Andante 葡萄農家の宿 (andante-sado.com)
【Instagram】“Andante” 葡萄農家の宿(@baybeefarm.sado) • Instagram写真と動画

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